2014年04月07日

店長の音楽日記其の3

 

Waltz For Debby



ヴィレッジ・ヴァンガードでのライヴ盤で、10日後に交通事故で他界す
るスコット・ラファロの遺作になったもの。それにしてもここでの観客の反
応は、偉大なるトリオに聴き入っている様子がまるでなく(ベース・ソロ
の後に拍手すら起こらない)、食事の BGM 扱いであるかのよう。もっ
とも、ジャズを高尚なものとして扱う必要なんてまったくないし、むしろニ
ューヨークではそれが日常であったことを窺い知ることができて興味深
いです。本作も名盤とされていますが、ため息が出そうなほどに美しい
、チャーミングなメロディとスイング感も心地よい  が余りにも素晴
らしい一方で、あおりを食らって霞んでしまうのか他の曲はあんまりパッ
としない印象を受けてしまう。でも実は、印象の薄い  以降こそがこ
のトリオ本来の絡みが堪能できる内容。そういう構成のせいか全体的
なバランスという意味でアルバムとしての完成度はそれほど高いとは思
えないです。トリオの日常の姿を捉えた記録として楽しむべきアルバムで、
そこに2曲の奇跡的名演が収録されていた偶然にこそ価値が有るように思えます。

 

The Solo Sessions, Vol. 1

//www.youtube.com/watch?v=HpSWDYzSIfs 

The Solo Sessions, Vol. 2 

//www.youtube.com/watch?v=5pGJa-dCKr4 

 

Waltz for Debby 

//www.youtube.com/watch?v=LCNyRcaTeMw 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
   
   

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